2012年11月7日水曜日

中国経済は「背水の陣」:これからの10年、施政スタイルを変更ができるか?

_

●中国の過去10年間の変化



レコードチャイナ 配信日時:2012年11月7日 7時36分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66166&type=0

中国経済は「背水の陣」、構造転換が必須―米華字紙

 2012年11月3日、米華字紙・僑報は
 「経済の転換、中国背水の陣」
と題した記事を掲載し、中国経済が今後も順調な発展を続けるためには
 「浪費から省エネスタイルへの経済構造の転換」
が必須であり、この10年間が最も重要な時期となるだろうと説いた。5日付で環球時報(電子版)が伝えた。

 過去10数年間、中国経済は大きな発展を遂げた。
 今後、資源製品の多くが供給不足になるとともに、高齢化が進むなど、中国経済にとっての大きな試練が待ち構えている。

 中国のGDP成長率は
 10年が10.3%、
 11年が9.2%、
 今年の第3四半期までが7.7%
で、成長のスピードが徐々に減速しており、原因には様々な説がある。
 しかし、実際に世界が最も注目していることは、
 経済成長の減速ではなく、今後中国が経済構造の転換に成功するかどうか
である。

 中国の1人当たりのGDPの水準を米国や日本、ドイツの水準まで引き上げようとすれば、中国経済の総量は現在の世界2位の大きさを基準として 8~9倍でなければならない。
 この水準に達するために、これまでのような資源の大量消費や非効率な運営に依存し続ければ、当然立ち行かなくなる。
 従って、経済構造を転換し、高品質・省エネの分野であらゆる工夫を重ねていかねばならない。

 では、いかに転換するか?
 まず、政府の施政スタイルを変更する必要がある。
 例えば、政府が市場に介入する場合は、法律や法規に基づいて投資や消費、生産、価格をコントロールするだけでなく、より厳格に不法行為を監督していかなければならない。
 次に、消費観念を転換し、社会全体のコスト意識を強化しなければならない。
 豊かになった中国では今日、一部に贅沢に走り過ぎる傾向が見られる。
 中国人には節約という良い伝統がある反面、浪費、コストを考えないという悪習慣もある。

 市場経済が多くの民間企業にコスト意識を芽生えさせた。
 しかし、一部の国有企業は資源の取得が容易である上に独占的な地位を占めているため、依然としてコスト意識に欠け、浪費を続けている。
 一般市民の生活においても、例えば水やガソリンの使用について、多くの人が節約の意識を持っていない。
 生活スタイルを変えずして、どうして経済発展のスタイルを変えられるだろうか?




朝鮮日報 記事入力 : 2012/11/07 08:32
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/07/2012110700429_2.html

胡錦濤主席の10年、様変わりした中国

 胡錦濤国家主席が指導した過去10年間は、中国が米国と並び「G2(主要2カ国)」と呼ばれるほど経済面、軍事面で国力を伸ばした期間だった。

 中国は過去10年間に年平均10.7%という高い成長率を記録し、2010年には日本を上回り世界2位の経済大国となった。
 02年に1135ドルにすぎなかった1人当たり国内総生産(GDP)は、昨年には4.7倍の5432ドルに増えた。
 GDP総額は同じ期間に米国の7分の1から半分にまで膨らんだ。
 貧富の差、地域格差があるとはいえ、中国沿海部の多くの地域で1人当たりGDPが1万ドルを超え、全体的な生活水準も高まった。

■経済力6位→2位

 こうした成長は、江沢民前国家主席が在任中の01年に実現した世界貿易機関(WTO)への加盟が基盤となった。
 ただし、専門家は、胡主席が08年の世界的な金融危機を4兆元(約51兆円)規模の思い切った景気浮揚策で乗り切るなど、中国経済を安定的に率いた点は過小評価できないと指摘する。
 また、3兆ドルを超える外貨準備を積み上げ、政府債務がGDPの40%にすぎないなど、健全な財政基盤も築いた。

 経済力に基づく軍事力強化と宇宙開発も本格化した。
 中国の公式発表によると、国防費は02年の225億ドル(約1兆8100億円)から11年には899億ドル(約7兆2300億円)へと4倍に膨らんだ。
 実際にはそれを上回る、というのが海外の研究機関による推測だ。
 中国人の70年にわたる念願だった初の空母「遼寧」も実戦配備した。
 03年には初の有人宇宙船を打ち上げ、今年は宇宙ステーションの建設に必須の有人宇宙船ドッキング技術も確保し、科学技術のレベルアップをアピールした。
 08年に建国以来初めて開催された北京五輪は中国人の過去100年の恥辱を洗い去り、プライドを回復する大イベントだった。
 しかし、行き過ぎた自信感が周辺国に対する外交的な傲慢さや軍事的圧迫につながり、「中国脅威論」と中華主義復活に対する懸念も生んだ。

■中台関係の画期的改善

 中台関係の改善は胡主席による最大の功績に数えられる。
 1990年代には中台関係は最悪の状況だった。95-96年に中国軍が台湾近海にミサイルを相次いで発射し、米軍の空母や原子力潜水艦が出動する台湾海峡危機が起きた。

 胡主席は就任後、党中央の「台湾小組」のリーダーを直接担当し、硬軟織り交ぜた戦略で中台関係を好転させた。
 台湾独立の主張には強硬な対応を続けながらも、中台交流と経済協力の面では大幅な譲歩で台湾を中国側に引き込んだ。
 08年に中台間での三通(通商、通航、通信の直接的往来)が本格的に実現し、10 年には自由貿易協定に当たる海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)に調印した。
 台湾人の反中感情が消え去ったわけではないが、10年余り前まで手紙の往来すら難しかった中台関係は、観光客が往来するほど改善した。

 今月4日には台湾独立を掲げ、中国と対立してきた台湾の野党、民進党の謝長廷元主席(67)が訪中した。
 08年の台湾総統選で馬英九現総統と対決した謝元主席は、民進党関係者として中国を訪れた最高クラスの人物だ。

■西部大開発の本格的推進
 
 多くの課題は残されているが、政治・社会分野でもプラスの評価を受ける部分がある。
 胡主席は「科学的発展観」を指導理念に掲げ、地域間、都市と農村の不均衡解消に努力した。
 2000年代後半に農業税が全面的に廃止され、農村地域で医療保険、養老保険が導入された。
 遅れた中国内陸部、西部地域の発展を促す政策である「中部崛起」「西部大開発」も胡主席の在任中に推進された。

 ハーバード大のエズラ・ボーゲル名誉教授(社会学者)は
 「過去10年間に中国内陸部で道路、鉄道などインフラが建設され、農村に対する資源配分を拡大したのは適切だった」
と指摘した。




レコードチャイナ 配信日時:2012年11月7日 8時36分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66184&type=0

中国の都市化率が50%を突破―中国国家統計局

 2012年11月4日、中国国家統計局の報告によると、中国の都市化率は昨年51.3%に達し、初めて50%の大台を突破した。
 2002年と比べると12.2ポイント増で、都市と農村の構造に歴史的変化が生じた。

 「これは中国の都市と農村の発展の『3つの歴史的ブレークスルー』を示すものだ。
 『農村中国』から「都市中国」へと急速に邁進し、二元的な都市と農村から一体化した都市と農村へと着実に進み、伝統的生活から現代的生活へと徐々に変化した。
 都市化の推進に伴い、都市と農村の無数の住民の就職ルート、生活様式、保障水準、文化度に根本的な変化が生じている」
と、第18回党大会代表を務める陳偉俊(チェン・ウェイジュン)浙江省寧波市ギン州区党委員会書記は指摘する。

 第16回党大会以来、
 「統一的計画」
 「合理的配置」
 「整った機能」
 「大が小を率いる」原則
に従い、都市発展全体計画が策定・施行され、都市はシステムと機能を改善し続け、人口・経済吸引力を強化し続けた。

 統計によると2002年から2011年の間に、中国の都市化率は年平均1.35%増加、都市人口は年平均2096万人増加した。
 2011年の都市人口は6億9079万人で、2002年と比べて1億8867万人増加。 
 農村人口は6億5656万人で、1億2585万人減少した。

 地域別では、東部は都市人口が61%で前年比1.1ポイント増加、中部は47%で1.7ポイント増加、西部は43%で1.6ポイント増加した。
 中・西部の都市化の加速傾向は、地域の統合的・協調的発展の戦略配置を体現し、西部大開発・中部台頭戦略の成就を示している。

 科学的で健全かつ持続可能な都市化は単なる都市の増加と農村人口の減少ではなく、都市機能を整備し、庶民生活を便利にすることがより重要だ。
 過去10年間に都市は規模の拡大を続けると同時に、公共サービス水準を徐々に高め、社会事業の発展を加速した。

 第11次五カ年計画期に全国の地級以上の都市の域内総生産は2005年の11兆3144億4000万元から2009年には20兆7728億 5000万元へと年平均14.3%増加した。
 公共の図書館や文化館のカバー率は90%を超え、病院や診療所の1万人あたり病床数は2005年の48床から 57床に増加した。

 各都市事業の全面的発展に伴い、都市の雇用吸収力も高まり続けている。
 2011年の都市労働人口は3億5914万人で2002年と比べて1億 755万人増加し、年平均1195万人の増加を示した。
 全国の総労働人口に占める都市労働人口の割合は47%で、2002年と比べて12.7ポイント増加した。
 都市雇用の急速な増加は、農村労働力の都市への継続的流入を先導した。

 これと同時に農村の様相も急速に改善し、都市と農村の経済・社会発展一体化の新たな構造が徐々に形成されている。
 2011年に全国の県・郷道路の総延長は160万キロメートルで、2002年と比べて26万キロ延びた。
 東部と中部の全村に道路を開通する目標はすでに達成され、西部でも98%の行政村に道路が開通している。
 飲料水プロジェクトによって、農村の3億2600万人の飲料水の安全性の問題が解決された。
 (提供/人民網日本語版・編集/TF)


 中国における都市化とは、耕作地を取り上げられた農民の流浪化という一面を強くもっている。
 都市化によって都市には金満家も出現するが、ネズミ族も発生する。
 収入格差が極端に開き、社会には鬱憤が堆積する。
 これからの10年、余程のことがないかぎり、じわじわと社会不安のルツボに落ち込んでいく可能性が強い。
 それをどこまで抑えられるかが、共産党の腕の見せ所になる。
 中国の都市化は、発展のバロメーターではあるが、騒乱への危険信号でもある。



【中国共産党第18回全国代表大会】


_