2012年11月12日月曜日

中国が経済規模で米国を追い越すという予想:今後数十年間はそういう可能性はない

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/11/12 13:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/12/2012111201398.html 

「米国が中国に追い越されることは当面ない」

オバマ・習近平時代の米中関係を占う
スタインバーグ前米国務副長官インタビュー

 「オバマ大統領率いる米国はアジアの友好国が中国とうまくやることを望んでおり、米国か、それとも中国かというような選択は強要しないだろう。
 しかし、習近平氏をはじめとする中国指導部も同様の責任を負うべきだ」

 ジェームズ・スタインバーグ前米国務副長官は7日(現地時間)、オバマ大統領再選と中国の指導部交代に関する電話インタビューで
 「習近平氏が韓国、日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国を極度に追い込むことは中国の利益にならないと認識することが、新たな米中関係の出発点になる」
と述べた。
 スタインバーグ氏は昨年7月に国務副長官を退任し、現在はシラキュース大学マックスウェル行政大学院長を務めている。
 同氏はオバマ政権の対アジア政策を立案した代表的な「中国通」として知られる。

 スタインバーグ氏は
 「米中は世界でも最も政治的、経済的な影響力が大きい二つの国であることは間違いないが、2カ国で全てを解決すべきだという考えは捨てるべきだ。
 主要20カ国(G20)首脳会議、国連など既存の世界的体制との間で協力を強化しなければならない」
と指摘した。

 以下はインタビューの一問一答。

―オバマ・習近平時代が始まる。両国関係にどんな変化が起きると考えているか。

 「習近平次期国家主席と李克強次期首相は、既に指導部で長い期間を過ごしたため、習近平政権の中国は変化よりも連続性が目立つとみている。
 現在中国は国内的に数多くの問題に直面しており、習近平氏はそれを管理する責任がある。
 私が習近平氏に直接会って話した内容に基づき予測すると、習近平氏は経済成長、繁栄を持続しようと熱望しており、そのためには米国との円満な関係を維持することが非常に重要だという点をよく知っている。
 そうした基調が今後の両国関係の全般的な枠組みになると考える」

―オバマ大統領と習近平次期国家主席にとって最大の試練は何か。

 「オバマ大統領は習近平次期国家主席に
 『中国が成長と繁栄を追求する過程で周辺国の利益を脅かさないことが重要だ』
という点を強調し続けるはずで、そこから摩擦が生じる可能性がある。
 中国が発展することは、中国だけでなく世界経済の発展にもプラスだ。
 しかし、中国の新指導部が中国の真の発展は周辺国との良好な関係を通じて成り立つと認識できなければ、今後数年間の米中関係で最大の試練になるのではないか」

―米国と中国が協力できる分野は何か。

 「覇権争いという枠組みの外から見れば、両国の利害関係が重なる部分は非常に多い。
 経済規模が最も大きい両国は、欧州経済危機の解決などに共通の利害関係を持つ。
 エネルギーの最大消費国として、安定的なエネルギー供給はもちろん、気候変化問題も共通の関心事だ。
 国際犯罪、海賊、対テロ問題、開発途上国支援などでも協力が可能だ」

―北朝鮮問題でも協力が可能と考えるか。

 「米中は北朝鮮だけでなく、イランの核開発プログラムをコントロールする上で、方法に多少違いこそあれ、核不拡散の原則に異論はない。
 中国は最近、イラン制裁にも一部同調し、北朝鮮が挑発的な行動をしないように積極的な役割も果たしている」

―米国国内では習近平次期国家主席に対する期待と懸念が交錯しているが。

 「私をはじめとする多くの米国の官僚が習近平氏に直接会って受けた印象は、習近平氏が以前の中国の指導者に比べ効率性を重視し、より自分自身を表現するスタイルだという点だ。
 しかし、それをもって習近平氏率いる中国がどうなるかを正確に予測するのは安易すぎる。
 習近平氏の特徴を規定するのではなく、米国をはじめとするほかの国々は習近平氏が中国の正しい変化をリードできるように進化するのを助けることが重要だ」

―米中を「2大国の対立」と見る考え方をどう思うか。

 「私が出会った米中指導部の面々で『2大国』の概念に同意する人物は誰もいない。
 2大国という概念は、地域問題、世界的問題を扱う上で重要なパートナーを排除することになる。
 米中は最も強大なパワーを持ち、経済規模が大きい国であることに違いないが、両国で全てのことを扱えるはずもなく、扱ってもならない」

―オバマ大統領が選挙期間中のテレビ討論で中国について「敵(adversary)という表現を初めて使ったが、第2次オバマ政権は中国に対してより強硬になるのか。

 「オバマ政権の対中政策は一貫性を維持してきた。
 クリントン国務長官も述べている通り
 『競争的だが協力的な関係』
を模索してきた。両国間に多くの差がある点ははっきりしているが、それは必ずしも悪いことではない。
 違いを認め、その中から協力できる部分を探るプロセスは次期政権でも続くはずだ」

―オバマ大統領の「アジア重視政策」が「中国封じ込め」を念頭に置いているとの見方が優勢だが。

 「オバマ大統領は今後の4年間もアジア進出を強化するはずだ。
 しかし、それが中国を封じ込めようとするものではないことは明らかだ。
 米国はアジア各国に『米国はアジアから撤退しない』という点を改めて確認しようとしている。
 また、米国は自国の経済に問題を抱えており、解決策の一つとして、成長エンジンであるアジアへの介入を拡大しようとしている。
 これは域内を安定させる効果もあり、結局は中国が繁栄を目指す上でも役に立つはずだ」

―南シナ海などアジアの領土紛争に米国が介入すれば、中国と摩擦を起こすとの見方も根強い。

 「中国は領土に関する多くの摩擦を起こしているが、対立一辺倒が誰の利益もならないことを中国もよく知っている。
 ある程度の調整を経て、平和的な妥協のために当事国の指導部が話し合いの場を持つことになるだろう。
 必要ならば米国も支援していく」

―中国の浮上を米国は不都合に思っているか。

 「中国の浮上を不都合だと考える見方も確かに存在する。
 これは米国が自らの地位を奪われることを懸念しているからではなく、中国が人権などに配慮せず、規模だけを膨らませてきたことに対する懸念だ。
 そうした見方に対する責任は中国にある」

―習近平時代に中国が経済規模で米国を追い越すという予想も聞かれる。

 「そういう見通しを盛り込んだ報告書などを見たが、何の説得力も持たない。
 今後数十年間はそういう可能性はなく、中国指導部の誰もそう考えてはいない。
 経済的、軍事的な面で全世界のリーダーとしての役割を果たす能力を持つ国は米国だけであり、それは相当期間続くはずだ


 軍事力とか経済力とか比較するものはいろいろあろう。
 ここ10年の中国の成長がこれから先、10年も同じように続くとすれば逆転はありえるかも。
 でも、中国の政体は行き詰っている。
 資本主義、というより選挙制度は国家を柔軟化させる。
 コイツがだめならコイツで、ということになる。
 よって、選挙で作られる政体は環境に対応して変化できる。
 
 中国の政治は周辺が柔軟になってもコアになっているものは共産党という剛構造である。
 これは変化できない。
 周辺をバブル化できても、周りは党族という変化しようにも変化できない芯が通っている。
 共産党がダメなら、別の政党でという切り替えができない。
 よってどこかで行き詰まる。
 これから10年もたつと、ホッキリとなる可能性もある。
 よって、米中は比較の対象にはならない。
 ただ言葉遊び、数字あそびとしてはおもしろい。
 昔、米ソという二大陣営の比較をして論じたことがあった。
 軍事力、経済力、文化力など。
 しかし、信じられないとおもわれるような仕方で、ポッキリとソビエトは崩壊してしまった。
 米中を本当に比較し、中国がアメリカを追い越したと論じることができるには、その前に中国人の誰もが一票の権利を行使できるようになっていないといけない。
 そうでなければ、話が進まない。
 というより、
 いつ政体が崩壊するかもしれないという状態で比較しても答えは出てこない
だろう。
 



【中国共産党第18回全国代表大会】


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