2012年11月9日金曜日

「旗印を変える邪道は歩まない」:政治改革をしないための言い訳

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●中国共産党第18回党大会で胡錦濤総書記(国家主席)が活動報告で「旗印を変えるような邪道を歩まない」と強調したことについて、独メディアは「政治改革を行わないための言い訳」と指摘した。




レコードチャイナ 配信日時:2012年11月9日 18時11分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66291&type=0

胡錦濤氏の活動報告「旗印を変える邪道は歩まない」は、政治改革をしないための言い訳―独メディア

 2012年11月8日、中国共産党第18回党大会で胡錦濤(フー・ジンタオ)総書記(国家主席)が活動報告で
 「旗印を変えるような邪道を歩まない」
と強調したことについて、独ラジオ局ドイチェ・ヴェレ中国語サイトは
 「政治改革を行わないための言い訳」
と指摘した。

 胡氏は活動報告で、政治体制改革を進めるとしながらも、
 「われわれは意思を断固として曲げず、中国の特色ある社会主義という偉大な旗印を高らかに掲げ、閉ざされ硬直化した古い道や旗印を変えるような邪道を歩まない」
と強調した。

 これについて、中国の政治学者、陳子明(チェン・ズーミン)氏は
 「政治改革を行わないための言い訳にしか聞こえない」
と指摘、
 「どんな画期的な文言が盛り込まれているのかと期待したが、ほんのわずかな変化すら感じなかった」
と失望感をあらわにした。

 党大会を前に警察当局に北京から連れ出された著名な人権活動家、胡佳(フー・ジア)氏も、
 「報告の内容は『胡・温体制』の10年間ずっと言い続け、結局実践されなかったもの。
 いまだに世紀の大ウソをつき続けている」
と批判。
 「旗印を変えるような邪道を歩まない」
の解釈についても、
 「邪道というのは、邦連制や連邦制などのことだろう。
 結局は一党独裁の継続を強調しただけ」
と一蹴した。



● 写真は8日、胡氏の活動報告の生中継を見る上海の人々。







サーチナニュース 2012/11/09(金) 15:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1109&f=politics_1109_006.shtml

第18回中国共産党大会、胡総書記の政治報告要旨

 北京の人民大会堂で8日開幕した中国共産党第18回党大会で、胡錦濤総書記(国家主席)は「中国の特色ある社会主義の道に沿って断固前進し、『小康社会』(ややゆとりのある社会)の全面建設のため奮闘」と題した政治報告を行った。
 報告は12項目に分かれており、要旨は以下の通り。中国新聞社が8日伝えた。(写真は「CNSPHOTO」提供)

【1、過去5年および10年間の総括】
  第17回党大会からの5年間で、経済発展、改革開放、人民生活、民主・法制、文化建設、社会建設、国防・軍建設、香港・台湾政策、外交の各方面で重大な成果を上げた。
 過去10年間を総括すると、われわれは中国の特色ある社会主義を新たな発展段階に推し進め、小康社会の全面建設のためのしっかりした基礎を打ち固めた。

【2、中国の特色ある社会主義の道】
  われわれは断固として中国の特色ある社会主義の道に沿って前進し、閉鎖的で硬直化した古い路線も、本来の方向性を変えるような邪道も歩まない。

【3、「小康社会」の全面建設】
  2020年までに「小康社会」の全面建設を実現する。2020年までに国内総生産(GDP)と1人当たり国民所得を2010年比で2倍にする。
 民主化を拡大する。
 文化ソフトパワーを増強する。人民の生活レベルを全面的に引き上げる。
 資源節約型・環境友好型の社会建設を進める。

【4、経済発展方式の転換】
  経済体制改革を全面的に掘り下げる。
 革新的な発展戦略を実施する。経済構造の戦略的な調整を進める。
 都市と農村の発展の一体化を進め、「三農問題」(農業、農村、農民の問題)を解決する。
 開放経済のレベルを全面的に引き上げる。
 以上によりわが国の経済発展の活力と競争力のレベルを高める。

【5、政治体制改革の推進】
  政治体制改革はわが国の全面改革のうち重要な部分である。
 党の指導を堅持し、人民を主人公とし、法に基づいて統治し、社会主義民主を拡大し、社会主義法治国家の建設を急がねばならない。
 わが国の社会主義政治制度の優越性を存分に発揮し、西側の政治制度モデルをそのまま取り入れることはしない。
 権力を制約し監督する健全なシステムを確立せねばならない。

【6、文化強国の建設】
  文化の競争力を強化する。
 国家のソフトパワーを高め、人民を教育し、社会に奉仕し、発展を推進する。

【7、民生の改善と社会建設】
  人民が満足できる教育を行う。
 質の高い就業を実現する。
 あらゆる手段をつくし家計所得を増やす。
 都市と農村の社会保障システム建設を進める。
 特に農村の医療サービスを拡充する。社会の安全管理を強化する。

【8、エコロジー文明建設】
  資源の節約と環境保護が基本国策。
 海洋資源の開発能力を高め、国家の海洋権益を断固として守り、海洋強国を作り上げる。
 資源の節約を全面的に推進し、エコロジーと環境保護に力を入れる。

【9、国防と軍の近代化】
  近代化建設の戦略構想に基づき、わが国の国際的な地位に見合った国防と強大な軍隊を建設する。
 2020年までに機械化と情報化を基本的に達成する。
 国防強化の目的は国家の主権と安全を守り、領土を保全し、国家の平和的な発展を保障するため。

【10、祖国統一の推進】
  香港・マカオで実施している「一国二制度」は世界でも成功と認められている。
 「平和統一」は台湾同胞を含む中華民族の根本的な利益にかなっている。
 「平和統一、一国二制度」の方針を堅持し、両岸(中台)関係を発展させる。
 われわれは「一つの中国」の原則を堅持している。
 「台湾独立」を主張さえしなければ、台湾のいかなる政党とでも、交流、対話、協力を進める。

【11、外交政策】
  中国は一貫して平和的な発展の道を歩んでおり、自主独立した平和的外交政策を行っている。
 われわれは国家の主権、安全、発展の利益を断固守り、いかなる外圧にも屈しない。
 中国は国際紛争の平和的解決を主張し、武力の行使や武力による威嚇に反対し、他国の合法政権を転覆させることに反対し、一切のテロに反対する。
 中国は覇権主義と強権政治に反対し、永遠に覇を唱えず、対外侵略をしない。

【12、党建設】
  共産党人としての意識を高め、党の規律を厳正にする。
 党内の民主化と、幹部の人事制度改革を進める。
 腐敗には断固反対。クリーンな政治の確立は、人民が注目する重大な政治問題である。
 この問題が解決できなければ、党にとって致命的なダメージとなり、ひいては党の崩壊、国家の滅亡(亡党亡国)につながる。




サーチナニュース 2012/11/08(木) 15:07
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1108&f=politics_1108_014.shtml

中国共産党大会が開幕、胡総書記の政治理論を指導思想に格上げ

  中国共産党の第18回党大会が8日午前、北京の人民大会堂で開幕した。
 胡錦濤総書記(国家主席)が今後の施政方針を示す政治報告を行い、自らが提唱した「科学的発展観」をトウ小平理論、江沢民前総書記の思想と並ぶ指導思想と位置付けた。(トウは登におおおざと)

  開幕式には各地域・機関から選出された党代表ら2309人が参加。
 会場には、胡総書記に続いて2番目に江沢民前総書記(前国家主席)が入場した。
 冒頭で参会者全員が起立して国歌斉唱の後、毛沢東、周恩来、劉少奇、朱徳、トウ小平各氏ら亡くなった革命指導者に黙とうをささげた。

  続いて胡総書記が中央委員会報告(政治報告)を読み上げ、
 「中国の特色ある社会主義という偉大な旗印を高々と掲げ、トウ小平理論、『3つの代表』という重要思想、科学的発展観を指導(理念)とし、思想を解放し、改革・開放を行い、力を結集し、困難を克服し、中国の特色ある社会主義の道に沿って断固前進し、全面的に小康社会(ゆとりある社会)を築き上げるため奮闘しよう」
と述べた。

  自らの政治理論である「科学的発展観」を格上げし、「党が長期的に堅持しなければならない指導思想」と強調。
 また2020年までに国内総生産(GDP)と国民1人当たり所得を2010年の2倍にするとの目標を掲げた。
 政治改革など12項目について、約1時間半にわたって演説した。

  開幕式の模様は中国中央テレビ(CCTV)が生中継した。
 国営新華社通信系の新華網や党機関紙・人民日報系の人民網といった官製ニュースサイトでも内容を逐次速報した。




サーチナニュース 2012/11/09(金) 10:21
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1109&f=politics_1109_002.shtml

「美しい国、中国」共産党が党大会で初めて打ち出す=中国報道

  中国共産党第18回党大会が8日開幕し、胡錦濤国家主席がこれまでの成果と今後の方針を示す「18大報告」を発表した。その中で、
 「美しい中国」建設を目指すことが初めて盛り込まれた。中国メディア鳳凰網が伝えた。

  中国共産党中央財経指導グループ弁公室の楊偉民副主任は、「18大報告」の中で「クリーン発展、リサイクル発展、低炭素発展を推進」し、「美しい中国を建設する」ことが初めて提起されたと紹介。
 5年前の「17大報告」でも「エコロジー文明」が提唱されたが、今回は経済、政治、文化と並ぶ独立した章立てとして位置づけられたとし、党の重視ぶりを説明した。

  エコロジー文明重視の背景として楊副主任は、石油、鉄鉱石など重要資源の対外依存増加、水不足、耕地減少とともに、根本的な歯止めのかからない環境汚染、生態系の退化、そして頻発する自然災害を挙げた。
 同時に
 「環境、資源問題の背後には体制や政策、発展方法などの原因が、さらには思想や認識、自然観といった要因が存在することを意識しなければならない」
と論じた。




【中国共産党第18回全国代表大会】


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