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●中国の指導者はこれまで、都合のいい時にナショナリズムを利用してきた(写真は、河南省の鄭州の反日デモで、横断幕と中国国旗を掲げて行進する参加者)
『
JB Press 2012.09.24(月) The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36158
アジアは本当に「これ」で戦争を始めるのか?
尖閣諸島を巡る日中緊迫がエスカレートしたら・・・
島々を巡る争いは、アジアの平和と繁栄に対する深刻な脅威だ。
アジアの国々は、文字どおり一粒の砂に世界を見ているわけではないが、沖に散らばる小さな岩礁や砂州に自国の国益に対する深刻な脅威を見いだしている。
今夏には、
中国、日本、韓国、ベトナム、台湾、フィリピンが絡む海洋紛争が立て続けに起きた。
9月中旬には、日本では尖閣諸島、中国では釣魚島と呼ばれる無人島群を巡る諍いから、中国全土の都市で反日暴動が拡大した。
トヨタ自動車とホンダは中国の工場の操業を停止した。
両国で加熱する舌戦の中で、ある中国紙は、無意味な外交を省略し、ただちにメイン料理に進んで日本に原子爆弾を供すべきだという、なんとも有益な提言をした。
ありがたいことに、これはグロテスクな誇張表現だ。
中国政府は遅ればせながら、平和維持の経済的な利点を認識し、争いを鎮静化しようとしている。
それは全くもって理性的な判断に思えるが、歴史、とりわけ
中国の台頭と1世紀以上前のドイツ帝国のそれとの類似点を顧みると、
そうとばかりは言えない。
当時の欧州にも、紛争により経済的に得をする国などなかった。
だがドイツは、強大になる自国の力に対する世界の対応があまりにも遅いと感じ、ナショナリズムのような粗雑で理不尽な情熱が根を張った。
中国は、自らが150年の屈辱と見なす時代から再び台頭しているところだ。
周囲をかこむ近隣諸国は不安を抱き、その多くは米国の同盟国だ。
そうした状況下では、岩の塊にすぎない島々を巡る争いが、皇太子暗殺に劣らぬ重大な意味を持ちかねない。
■1つの山に2頭の虎
楽観主義者たちに言わせると、最近の諍いは、大方が政治劇の一幕だという。
日本の選挙と中国の指導部の交代を控えた副産物というわけだ。
尖閣諸島を巡る争いがこのタイミングで激化したのは、日本政府が民間の日本人所有者から諸島の一部を買い取ると発表したからだ。
購入の狙いは、尖閣購入の意向を示していた、中国叩きを続ける東京都知事の迷惑な手から、島を遠ざけておくことにあった。
だが、これは中国を怒らせた。
中国は領有権の主張を強化し、巡視船を繰り返し日本の領海に侵入させた。
これにより、習近平氏への政権引き継ぎを目前に控え、中国指導部のイメージは強化された。
さらに大局的に見れば、アジアはお金を稼ぐのに忙しすぎて、戦争をする暇などない、と楽観主義者たちは主張する。
中国はいまや、日本にとって最大の貿易相手国だ。
中国人旅行者が大挙して東京へ押し寄せ、表参道のショーウインドウに飾られたバッグやブランド服を競って購入している。
中国は領土拡大に関心を持っていない。
いずれにせよ、中国政府は国内にありあまるほどの問題を抱えている。
わざわざ国外で問題を探す理由などあるだろうか?
確かに、アジアには関係を良好に保つべき理由がある。
恐らく、今回のつまらない争いも、過去の争いと同じく、徐々に収まっていくだろう。
だが、どこかの島の領有権問題が再燃するたびに、当事国の態度が硬化し、信頼が損なわれていく。
2年前には、中国漁船が尖閣沖で日本の巡視船に衝突し、船長が日本側に逮捕される事件が起きたが、中国が日本の産業に不可欠なレアアースの販売を停止すると、
日本はそれを報復と見なした。
■脅威を大きくするナショナリズム
アジア諸国、特に中国でのナショナリズムの高まりが脅威を一層大きくしている。
尖閣諸島に関する日本の主張の正当性の如何にかかわらず、その主張の根は、大日本帝国を築いた残忍な過去にある、とする。
どの国のメディアも、学校で教え込まれることの多い偏見につけこんだ報道をする。
中国の指導者は、国家主義の形成を後押しし、都合のいい時にそれを利用してきたわけだが、
いまや自国の主張を押し通さなければ、痛烈な批判にさらされるようになっている。
最新の世論調査によれば、中国国民の半数あまりが、今後数年で日本との間に「軍事的紛争」が起きると考えている。
したがって、尖閣諸島は、漁業や石油、天然ガスの問題というよりも、
アジアの将来を巡る大博打の賭け金として重要な問題
となっているのだ。
あらゆる事件は、どれほど小さくても、前例となる恐れがある。
日本、ベトナム、フィリピンは、仮に譲歩すれば、中国が弱みを嗅ぎとり、次の要求を考え出すのではないかと恐れている。
一方の中国は、主張を押し通すのに失敗すれば、米国をはじめとする他国が、中国を陥れる画策を自由に練ることができると判断するのではないかと心配している。
■協調と抑止
尖閣問題に見るアジアの対処力のなさは、例えば朝鮮半島や台湾海峡などで起こり得る真の危機への対処力に関する疑念を生んでいる。
中国が影響力を誇示する傾向を強めていることは、
大国としての中国の振る舞いを巡る根深い不安を増大させている。
そして、ごく小さな諍いを本格的な争いにエスカレートさせる傾向は、米国にとっても悩みの種になっている。
米国は、中国の台頭を歓迎していると請け合うと同時に、軍事的な威嚇により太平洋をその名に相応しい状態に保とうとしている
解決策の中には、一世代がかりになるものもある。
アジアの政治家たちは、これまで大事に育ててきたナショナリズムという蛇の牙を抜きにかからなければならない。
そのためには、史実に正直な教科書が大いに役立つだろう。
今後数十年間にわたり、中国の台頭が米国の外交政策の主眼となるはずだ。
バラク・オバマ大統領の掲げるアジアへの「ピボット(旋回)」は、同盟国に対する米国の深い関与を示すよい手はじめになるだろう。
だが米国は中国に対して、米国が望んでいるのは、19世紀に英国がドイツに対してしたような封じ込めではなく、責任感を持った中国が世界の大国としての潜在能力を発揮することだと保証し、安心させる必要がある。
政治的な色合いの濃い露骨な世界貿易機関(WTO)への提訴は、中国の不安を煽ることになる。
■早急に求められる3つの安全対策
尖閣諸島を巡る緊張(さらにはアジア諸国の相容れない歴史観)を踏まえると、
3つの安全対策
をただちに講じる必要がある。
①.1つは、不運な出来事が危機へとエスカレートする可能性を限定することだ。
船舶の取るべき行動や事故後の対応に関する行動規範を定めれば、海上での衝突に対処しやすくなるだろう。
地域的な機関で各国政府が定期的に協力し合えば、緊急時の協力も容易になるはずだ。
だが、議論の場となるアジアの機関の多くは、どの国も権威をその機関に移譲しようとしないことから、影響力を欠いている。
②.2つ目の安全対策は、偏見を排して、主権を巡る争いを棚上げする方法を再発見することだ。
中国の次期国家主席の習氏は、「台湾問題」を脇にどけた前任者の胡錦濤氏の成功に目を向けるべきだ。
尖閣諸島(台湾も領有権を主張している)については、毛沢東も鄧小平も、主権の判断を次世代に委ねることをよしとした。
尖閣諸島の天然資源が価値のあるものなら、このやり方はなおさら理にかなう。
国有企業といえども、石油プラットフォームを軍事攻撃の危険にさらすのはためらうだろう。
主権を巡る主張が棚上げされれば、各国が資源の分配にとりかかることもできるはずだ。
さらにうまくいけば、島とその周辺海域を海洋自然保護区に指定できるだろう。
だが、協調によりすべてが解決できるわけではない。
③.したがって、抑止力を高めることが、第3の安全対策となる。
尖閣問題では、米国は明確な姿勢を取ってきた。
主権については米国はどのような立場も取らないが、尖閣諸島は日本の施政下にあり、したがって米国の安全保障条約の範囲に含まれる、
という姿勢だ。
この事実が地域の安定を高めてきた。
というのも、
米国は諍いの過熱を止めるためなら外交的な威力を行使するはずで、
中国も侵攻できないことが分かっているからだ。
だが、他のアジアの島々に対しては、オバマ大統領は姿勢を明確にしていない。
■欧州の歴史に鑑みてアジア諸国がなすべきこと
中国の役割は、それ以上に重要だ。
中国の指導者たちは、国力の拡大が近隣諸国の脅威となることはないと主張している。
また、歴史を理解しているとも公言している。
1世紀前の欧州では、長年にわたる平和とグローバル化に気を許した指導者たちが、戦争の危険を犯すことなくナショナリズムの火を弄べると考えてしまった。
この夏以降、
習氏と近隣諸国のリーダーたちに求められるのは、
尖閣諸島が実際のところ、どれほどのダメージを引き起こしているか
を把握することだ。
アジアは、関係を蝕む不信への転落を逃れなければならない。
中国がいつわりなく平和的な台頭を望んでいることを証明したいのなら、
率先して範を示す以上に良い方法があるだろうか?
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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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8割が戦争になる、と答えているということは、
「8割が戦争をしたがっている」
ということでもある。
デモ参加者の4割が尖閣諸島の位置も知らないでいるのに、戦争賛成者は8割いることになる。
反日教育の成果であるが、その考え方をもし政府が反映できなかったらどうなる。
ここがきついところだ。
「弱腰共産党」
ということにもなりかねない。
ならば開戦できるか。
近代に入って中国は海戦をやったことがない。
経験としてあるのは地続きの国境紛争のみである。
さて、その中国が開戦に踏み切れるか。
対外的に、国内的に中国政府は間で苦闘することになる。
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年10月1日 6時42分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65097&type=0
<ネット調査>
8割のユーザーが「日本と戦争になる可能性大」と回答―中国
2012年9月29日、中国の環球時報(電子版)は日中国交正常化40周年を記念し、大規模なインターネット調査を実施。
日本政府や日本国民に関する17の質問に、約3万4000人のネットユーザーが回答した。重慶晨報が伝えた。
尖閣諸島の領有をめぐり緊迫する日中関係で、
「今後日本と戦争になる可能性は大きいか?」
との問いに、79.9%のユーザーが「非常に大きい」「やや大きい」と答えたのに対し、「大きくない」がわずか6%。
「絶対にない」と断言しているユーザーは0.9%しかいなかった。
日中関係をたびたび悪化させる3大要因については「歴史的恨み」「領土紛争」「日本の右翼」が挙げられ、反対に「緊密な経済貿易交流」「補完的な経済構造」「文化的類似」の三つが日中関係を徹底的に破壊させない接着剤的役割を果たしていることが分かった。
日本に対する好感度を10点満点で表す問いについては、「0点」が半分以上の50.5%を占め、「5点以上」をつけたユーザーは5%にも満たなかった。
ただし、日本国民に対する好感度となると「0点」は一気に27.7%に下降。
「5点以上」の評価は26.1%に増えた。
中国に対して最も友好的な日本の首相に選ばれたのは、1972年に両国の国交正常化を果たした田中角栄氏が30.8%で断トツの1位に。
次いで鳩山由紀夫氏(7.9%)、村山富市氏、中曽根康弘氏の順だった。
反対に中国に対して最も友好的でない日本の首相は、尖閣諸島国有化を決定した野田佳彦氏で47.3%を獲得。
次いで靖国神社参拝を繰り返した小泉純一郎氏の33.6%。
先日自民党総裁に返り咲いた安倍晋三氏を挙げたユーザーは4.6%だった。
』
『
サーチナニュース 2012/10/04(木) 13:41
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1004&f=national_1004_042.shtml
【中国BBS】日中が開戦になったらどこが中国を助けてくれる?
中国大手検索サイト百度の掲示板に
「日中が戦争になったらどの国が中国を助けてくれる?」
というスレッドが立てられた。
スレ主の質問に対してさまざまな意見が寄せられた。
尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡り、中国のネット上では開戦を主張する強硬論も出ているが、
スレ主は本当に戦争になった場合、どの国が中国の見方となって助けてくれるのだろうか、
と質問している。
これに対して次のような意見があった。
●・「ロシアが助けてくれるだろう。
今は微妙な関係ではあるけれど、本当に戦争になれば放ってはおけないはずだ。
中国が終わったらロシアは身を守れなくなるのだから」
●・「パキスタンだな。
南アジアの国々は助けてくれる可能性がある。
中国は発展していない国々との関係が比較的いいからな」
●・「北朝鮮は必ず助けに来てくれるに違いない」
●・「ロシア、パキスタン、北朝鮮、キューバだね」
しかし、上記の国々については反論もあり、北朝鮮は保身で精一杯だから中国を助けられないだろう、というコメントや、北朝鮮は白い眼の狼でロシアは腹を空かせた狼だからどちらも信用できない、という意見もあった。
ほかには、
●.「助けてくれる国はないだろう」
という意見もあり、
●.「本当に中国を助けたいと思う国はないだろう。
助けてくれるとしたら利益関係があってのことだ」
というコメントもあった。
また、助けなど必要ない、中国には領土主権と民族の尊厳を守る実力がある、という強気の意見もあった。
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結構、中国民衆は冷静に見ている。
この中で「ロシア」というのがあるが、ロシアはそのポーズは見せるが、どちらかというと、屍肉をかっさらうタイプ。
助ける助けると云いながら、中国の弱ったところをみはからって、蒙古地域くらいは占領しかねない。
パキスタン、北朝鮮、キューバなどは足でまとい。
ということは、ざっと見回して中国を助けるところは世界にはいない、ということになる。
あるいは、カンボジア、アフリカ諸国なんていうのも出てくるかもしれないが、話にもならない、ということであろう。
ということは
「孤独な大国:中国」
ということなのだろう。
中国の行動をみていると、何か世界に嫌われることを選んでやっている、といった風がある。
【中国共産党第18回全国代表大会】
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