2012年10月27日土曜日

日中の経済対決:この経済対決は日本にとって新時代のあけぼの

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●23日、ドイツ紙は、人件費の上昇や需要の減少によって海外企業の工場や資本が中国から東南アジア各国へ流出しているが、実はこうした傾向は中国にとっても世界にとってもメリットがあると説いた。写真は浙江省温州市の靴工場。


 こういう記事を読むと中国が相当にあせってきているな、と思えてくる。
 つきひがたつにつれてジワジワとボデイーブローのように効いてくる。
 日本は、中国の抜けた分をどうやって取り返すかアイデアを出すことになるだろう。
 しかし、中国は抜けたら抜けっぱなしになってしまう。
 日本が抜けた分を穴埋めするところがない。
 そこがきついところだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2012年10月27日 14時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65551&type=0

日中関係の冷え込み、本当に“痛い”のはどちらか―中国メディア

 2012年10月23日、国土交通省の最新報告によると、日本が尖閣諸島の国有化を正式に発表した9月中旬以降、日本人の中国への観光ツアーは半減した。
 それでも、日本には
 「中国の観光部門が被る損失は甚大で、日本よりも大きい」
とするメディアもある。
 しかし、中国の学者、何茂春(ホー・マオチュン)教授は取材に対して、
 「日本のメディアが中国が被る観光収入の損失のほうが大きいと報じているのは『自分を慰める』ため。
 中国人の日本観光によって日本側が得られる直接観光收入と間接観光收入は、いずれも日本人の中国観光によって中国側が得られるそれを上回っている。
 日本のメディアは目先の小さな利益だけを追っていれば、アジア大国である中国という大きな利益を失う」
と指摘している。人民日報系の国際情報紙・環球時報が伝えた。

▽日中旅行業「共倒れ」

 時事通信は20日、尖閣諸島をめぐる日中両国の関係悪化による航空・旅行業界への影響が出始めており、中国旅行の安全性への懸念や反日活動が招いた中国に対する悪感情が原因で、団体客のキャンセルなどで日中間の定期便の16%が減便となったほか、中国への観光ツアーは半減したと報道した。
 また、日本航空(JAL)と全日空(ANA)は取材に対し、9-11月分の中国に向かう便中、5万2000席がキャンセルになったことを明らかにした。
 さらに、公益財団法人「日本交通公社」も「中国に向かう日本人団体観光者数が10%減少した」としている。

 一方、中国人の訪日に関して、共同通信は19日、
 「9月に日本を訪れた中国人旅行者は、東日本大震災の影響がない2010年同月と比べ約1万4000人(10%)減の12万3500人だった」
とする政府観光局の推計を報道。
 「尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化が影響したとみられ、今年6-8月はいずれも10年比で2桁の伸びを示していたが腰折れした」
と伝えた。

▽損失は日中どちらが大きいか

 日本のメディアが伝えている統計によると、11年、日本を訪れた中国人旅行者は130万人だったのに対し、中国を訪れた日本人旅行者は350万人だった。
 そして同統計に基づき、
 「日本人は旅行先として中国を避けるようになれば、中国は日本人観光客という超お得意様を失うことになる。
 そのため、中国側の損失のほうが大きく、それが日本の損失よりも大きい」
と分析する人もいる。

 しかし、統計によると、観光客の消費能力と地元にもたらす経済効果のどちらの角度から総合的に評価しても、日本の損失のほうが大きい。
 観光庁の12年の統計データによると、訪日中国人観光客の1人当たりの消費額は16万4358円。
 一方、訪中日本人観光客は10万円以下だ。
 中国の観光客が日本に与えている経済効果のほうが大きいのだ。

 日本のある観光業関係者は取材に対して、
 「日本の観光業界にとって、ショックなデータはまだ出ていない。
 日本の観光業界にしてみると、中国の国慶節(建国記念日、10月1日)と春節(旧正月)の前後にある大型連休が書き入れ時。
 ところが、今年の国慶節、中国人観光客のほとんどが韓国などに流れた。
 今のままでは、来年の春節(2月10日)の連休までに、中国人観光客数が以前の水準にまで戻るのは難しい。
 そうなると、倒産する日本の旅行社が相次ぐだろう」
と警笛。
 日本のある旅行社の責任者も
 「海外業務、特に中国業務が縮小しているため、当社はすべての契約社員との契約を打ち切った。
 また、正社員の給料も30%カットとなっている」
と悲鳴を上げる。

▽関係冷え込みを本当に避けたいのは日中どちらか

 フランスの週刊誌「Le Nouvel Observateur」は21日、
 「日本は裕福な中国の『医療観光客』を失いたくない」
と題する記事を掲載。
 日中の尖閣諸島をめぐる紛争は日本の医療観光(メディカルツーリズム)の足かせとなっている。
 地震、津波、原発事故の3重苦を抱えていた日本は、経済復興の足がかりとして医療観光に望みをかけていた。
 しかし、逆に毎年7億ドル(約550億円)の損失を計上する可能性がある」
と指摘。
 「観光立国を目指す日本にとって、中国市場の存在感は決して無視できない」
とする日本経済新聞の報道を紹介した。

 しかし、日本のメディアが中国との間に存在する「緊張」や中国人の反日感情を大きく報道しているため、日本人の嫌中感情が高まっている。
 それは、日中両国の観光業、ひいては2国間の関係にまで影響を及ぼしている。
 一方、
 「両国はそう簡単に自国にとっても利益となる相手国との関係をあきらめることはない」と見ている人もいる。
 中国人観光客や乗組員約2200人を乗せた上海からのクルーズ船コスタ・ビクトリア(イタリア船籍)が20日、熊本県八代市の八代港に寄港した。
 日本にとっては9月中旬以降、最大の中国人団体旅行客となった。
 時事通信は
 「日本政府の尖閣諸島国有化で日中関係が緊張し、中国からの観光ツアーのキャンセルが相次ぐ中、関係者は『日中の雪解けの機会となればよい』と期待している」
とし、日中の民間友好団体が観光業や経済などの面で重要な役割を果たし、「両国共倒れ」という局面は日中ともに絶対に避けたいとの考えを示した。


 これは観光のみの話のようである。
 日本にとって、中国は行かなくてもすませられるところである。
 中国にとって日本は行きたいところであろう。
 そしてもし、中国にとって日本がいきたいところでない程度の魅力なら、日本の観光産業などやめたほうがいい。
 日本に人を引きつける魅力があっての観光でないといけない。
 ただそこにあるから行くなら、早晩頭打ちになるだけでそれが早くきただけのものだろう。
 やはり観光というものは吸引力のあるものでなければならないだろう。



レコードチャイナ 配信日時:2012年10月28日 5時46分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65859&type=0

中国の「脱安物」は中国にとっても世界にとってもメリットあり―ドイツ紙

 2012年10月23日、ドイツ紙ディー・ツァイトは
 「中国は二度と安価を希望しない」
と題した記事を掲載し、人件費の上昇や需要の減少によって海外企業の工場や資本が中国から東南アジア各国へ流出しているが、実はこうした傾向は中国にとっても世界にとってもメリットがあると説いた。
 25日付で環球時報が伝えた。

 生産コストの上昇や世界経済の停滞に伴って、中国から東南アジア各国へ工場や資本の流出が続いている。
 中国商務部によると、中国にある紡績品や靴などのメーカーの約3分の1は受注ゼロの状態が続いている。
 しかしメディアは、この状況に不満を表明するのではなく、逆に「災い転じて福と為す」との見方を示している。

 実際に、中国はこうした変化を望んでいるのであろう。
 中国政府は、輸出への過度の依存から、内需拡大による経済成長モデルへの転換を推し進めている。
 過去20数年間、中国は安価で豊富な労働力を生かして製品を生産し、全世界に流通させ、5億人を超える国民を貧困から脱出させてきた。
 そして現在、中国の首脳陣は国民の生活レベルを高くしたいと望んでいる。

 中国人力資源・社会保障部の報告によると、今年上半期、16省の最低賃金基準は平均20%近く上昇した。
 また、中国政府は第12次5カ年計画(2011~15年)の中で、中国企業に対し、品質の重視と環境保護技術の向上を求めている。

 こうした変化は苦痛を伴わないわけではない。
 その兆候はすでに現れており、中国経済は減速傾向を示し、「世界の工場」の勢いは失われつつある。
 そしてこの変化は
①.輸出産業の衰退によって失われた職位をいかにカバーするか、
②.世界のその他の国にどんな意味を持つのか
という2つの大きな問題をもたらすことになる。

 しかし、中国はこの変化に対応できることをすでに証明している。
 現在中国では製造業よりもサービス業の方が就業機会が多くなっており、より多くの中国人が中産階級の仲間入りを果たしている。
 また、世界のその他の地域も、物価上昇などの副作用はあるものの、中国製品の変化を受け入れている。

 一方で、欧米諸国における中国のイメージはここ数年来変化を遂げてきたが、その中に奇怪な矛盾を見ることができる。
 欧米のビジネス界のリーダーは以前、中国製品が安すぎると非難していたが、現在は中国製品の価格上昇が欧米諸国に損害を与えていると指摘している。
 この背後には、過去に日本や韓国が自分たちの目の前に突然立ちはだかった時のような恐怖が隠されているのだろう。




レコードチャイナ 配信日時:2012年10月29日 17時33分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65925&type=0

<尖閣問題> 
日本と中国の経済対決、いつまで続けられるのか?―華字紙

 2012年10月28日、華字紙・中文導報によると、拓殖大学政経学部の朱炎(ジュウ・イエン)教授は21日、東京大学で開催された「日中経済フォーラム」に招かれ、日本と中国の経済対決に関する講演を行った。以下はその概要。

 日本政府による尖閣諸島の国有化によって始まった中国のさまざまな対抗措置は、日本政府が中国側の抗議を無視したことが原因だ。
 中国は
 大規模な外交宣伝や各方面での交流中止、
 領海範囲の公表、
 尖閣諸島海域での定期巡航、
 各種経済措置などを実施する
ことで、日本に尖閣問題が領土紛争であることを認めさせ、 
 「論争を棚上げし、現状を維持する」
とした以前の状況に戻そうとしている。

 尖閣諸島国有化で中国側が見せた強烈な反発について、日本政府は理解できず、中国側の過剰反応だとみなした。
 その理由についても、
 日本政府は中国政府内の権力闘争や、社会や政府に対する国民の不満の表れだということに固執。
 このため
 中国側が理性を回復し、冷静になるのを待てばよく、領土問題で譲歩する必要はないと考えている。

 中国は
 「敵を1000人殺すためには、味方が800人死んでもかまわない」
という精神で経済措置を行っている。
 中国経済が受ける損失よりも日本経済が受ける損失の方が大きいと考え、日本が我慢できなくなるのを、そして打撃を被った日本の経済界が政府に圧力をかけるのを待っている。

 しかし、日本側の考えは違っている。
 在中日本企業に損失は出ても、日本国内の経済に大きな影響は出ない。
 日本政府に対する経済界の発言力も弱くなっている。
 また、2010年に発生した尖閣漁船衝突事件で、
 中国が実施したレアアースの輸出制限が不成功に終わったことから、
 再度中国が輸出制限を行うことはないとみている。

 高度にグローバル化が進んだ今、日中両国は相互に深く依存しており、経済制裁がどちらか一方の国だけに損失をもたらすことなど不可能。
 ゆえに極力避けるべきだ。
 しかし、尖閣問題が短期間で解決しないのであれば、中国は経済措置の長期化を余儀なくされる。
 そうなれば中国の日系企業は経営困難に陥り、連鎖的に中国国内の関連企業にも影響が出る。
 日本から輸入される原材料や部品、設備の減少は中国企業の運営にも影響を及ぼし、中国の輸出は減少。
 対中投資が減り、注文が減ることで生産規模も縮小する。
 さらには
 「中国は国際ルールを守らない」
 「リスクの高い国」
というマイナスイメージが世界に広まる。
 このことから、日本に対する経済措置はただやみくもに行うのではなく、その対象となる項目を定めて行わなければならない。

 日中間の経済対決はいつまで続けられるのだろうか?
 それは長期戦でもあり持久戦だ。
 あるいは日本の政権が交代するまでか?
 日本が中国の期待する反応をいつ見せるかにかかってくるだろう。
 いずれにせよ、現実的観点からみれば、それは短ければ短いほど良いのだ。


 最終的には「レアアース現象」で収束するだろう。
 レアアース現象とは中国が日本を締め上げるために課した経済制裁が裏目に出ることだ。
 当初は中国側に有利に働くが、しばらくすると、それに対応する日本が徐々に力をつけ、最後は逆に中国企業の没落という結果に終わってしまうという現象である。
 目先では中国が有利ということになるが、少し長いスパンでみれば日本が圧倒的に有利であるということになる。
 日中経済戦争を冷静にみてみれば、どうみても日本が有利という判断が覆ることはない。
 むしろ、中国を離れてアジアに積極的にてんかいできるいいチャンスを日本は掴んだということからみれば、
 この経済対決は日本にとって「次の新時代の曙」
といってもいいほどである。
 何も、危険がいっぱいのところにのめり込む必要はなくなり、新しい大地を開発できるという自由を手に入れられることになったといえよう。
 問題は中国である。
 日本がまったく中国から手をひくということは無いにしても、徐々に「脱中国化」は進んでいく。
 その時、中国にいったいなにが起こるかである。



【中国共産党第18回全国代表大会】


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