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レコードチャイナ 配信日時:2012年10月15日 6時32分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65501&type=0
<欧州危機>中国はもう世界経済を救ってはくれない―英紙
2012年10月10日、英タイムズ紙は「中国はもうわれわれに命綱を投げてはくれない」と題した記事を掲載し、2008年の世界的な金融危機を救ったのは中国だったが、今ではその中国が多くの経済的問題を抱えていると指摘した。
12日付で環球時報(電子版)が伝えた。
08年当時、輸出の激減と国内経済の停滞リスクから、中国は金利の引き下げと大幅なインフラ投資を実施したが、その結果、中国経済は飛躍的に躍進した。
中国の政策は国内経済をけん引するだけでなく、世界経済を救うことになった。
中国政府がインフラ整備のプロジェクトを次々と立ち上げると、輸入も急増。
この中国特需により世界貿易も回復の兆しを見せた。
しかし、今年の状況は以前と異なっている。
ユーロ圏の経済危機は世界貿易に深刻な衰退をもたらしたが、そこに「経済危機から人々を救うヒーロー」としての中国の姿はない。
今の中国には、大規模な景気刺激策を行う意志がないのだ。
10年と同様に、中国の貿易黒字は引き続き減少している。
これは輸入が増加したわけではなく、世界貿易の停滞から輸出不振が続いていることが原因だ。
世界は中国の景気刺激策を熱望しているが、中国政府も矛盾を抱えている。
物価は上昇し、収入格差は広がるばかり。
高騰する不動産価格は中国版サブプライム問題を引き起こす可能性があるとの指摘や、1980年代以後のバブル崩壊後の日本と同じ轍を踏むという声もある。
ユーロ危機と慎重な中国の姿勢は、世界経済に一種の不幸な均衡を生み出したといえよう。
サブプライム問題以前は、中国の膨大な貿易黒字と米国の深刻な貿易赤字が生んだ世界貿易上の不均衡を危惧する声が多かった。
現在、その不均衡は縮小されたにもかかわらず、世界経済は回復の兆しを見せておらず、人々の不安はさらに増している。
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zakzak 2012.10.11
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20121011/ecn1210111816014-n1.htm
中国経済“反日”で崩壊に拍車!
不良債権240兆円も…その自爆シナリオとは
経済失速が懸念される中国で「致命的な爆弾」と懸念されているのが金融危機だ。
過剰なインフラ投資や不動産バブル崩壊で、中国国内銀行は240兆円もの不良債権を抱える恐れがあり、資金・産業の流出や社会騒乱も予想される。
欧米各国が対中投資を減らし始めるなか、尖閣問題を契機にした一連の反日工作や不買運動が中国経済の崩壊に拍車をかけるというのだ。
■その自爆シナリオとは-
東京で開催中の国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会に、中国の謝旭人財政相と中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が出席を見送った。
中国の4大銀行である中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行もIMF総会の関連イベントを欠席。
いずれも日本政府の尖閣諸島国有化への対抗措置とされるが、実は銀行自身にも暗雲が立ちこめているようだ。
「4大銀行は中国の融資の82%を占め、ほとんどが国有企業に融資される。
ところが国有企業の半分以上が赤字。
国有企業は不動産投資をしているところが多いが、不動産の売れ残りだけで60兆円分あるとされ、融資の焦げ付きは大変なことになっている」
と語るのは中国問題に詳しい評論家の宮崎正弘氏。
さらに宮崎氏は
「中国の銀行が抱える潜在的な不良債権は160兆~240兆円」
と指摘する。
実に中国のGDP(国内総生産)約570兆円の3~4割にあたる。
不良債権問題といえば1990年代以降、日本経済を苦しめたことが記憶に新しい。
日本の場合、住宅金融専門会社(住専)や大企業向けの融資が焦げ付いたのだが、中国の不良債権は
「地方自治体に眠っている」(中国市場に詳しい金融関係者)
という。
中国各地の自治体は、一種のペーパーカンパニーである投資会社が銀行から融資を受ける形で資金調達し、インフラ投資を行っている。
2008年のリーマン・ショック後にも高成長を維持するため、採算度外視で投資を続けたことが裏目に出たというのだ。
「地方自治体は農民から収用した土地の利用権を売却するなどして借金返済に充ててきたが、不動産バブル崩壊で借金が返せなくなっている」(同)
アジア太平洋地域のニュースを扱うサイト「ディプロマット」は、米国の研究者の試算として、
●中国内に約1万社あるという投資会社の債務が2010年末時点で最大14兆4000億元(約180兆円)、
●地方自治体の借金額は20兆1000億元(約250兆円)
としている。
こうした隠れ債務が実体経済をもむしばんでいる。
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は
「中国経済は相当に厳しめに見ておく必要がある。
銀行は不良債権を抱え、鉄鋼や建設資材への過剰投資も深刻だ」
と分析する。
「中国はそんな数字を発表しないだろうが、実態はゼロ成長程度まで落ち込むのではないか」(前出の金融関係者)
との観測もある。
前出の宮崎氏も
「銀行や大手不動産デベロッパーは太子党(共産党高級幹部の子弟)が経営しているので政府はつぶさず、資金をさらに供給して守ろうとする。
しかし、海外の投資家は資金を引き揚げており、不動産も下がらないので傷は深くなるばかり。
不満を持った国民の大暴動は避けられない」
と話す。
中国経済崩壊に拍車をかけるのが、尖閣問題を発端にした一連の反日活動だ。
暴動による店舗や工場への直接被害、通関強化などのいやがらせを行ったほか、日本製品の不買運動では、大手自動車メーカーの販売激減という形で表面化した。
前出の斎藤氏は
「法体系があまりに違うことに驚いて中国から逃げ出す欧米企業も出始める中、長期投資を増やしてきたのが日本。
その日本企業が尖閣問題で厳しい状況となり、中国のレピュテーション(評判)リスクがさらに意識されている」
と明かす。
たしかに日本貿易振興機構(ジェトロ)の統計でも、米国やフランス、オランダなどは2011年に対中直接投資を前年から2~3割も減少させたが、ところが、日本は逆に49・6%増と突出して増やしており、このままでは中国経済と共倒れになりかねない。
日本政府も企業も、ずうたいの大きい隣人との付き合い方を見直す時期にきている。
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ニューズウイーク 2012年10月18日(木)14時56分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/10/post-2728.php
中国金融が抱える時限爆弾
"The Mother of All Debt Bombs"
地方の過剰債務、不動産業界の資金繰り悪化、闇融資
……中国銀行の「不良債権比率1%」の嘘に潜む時限爆弾
[2012年9月26日号掲載]
金融システムが崩壊するきっかけはいろいろある。
だが根本的な原因は皆同じ。
信用の爆発的な拡大だ。
だとすれば、近年の中国における安易な信用供与が何をもたらすか、私たちは大いに心配するべきだ。
09年〜今年6月末の中国の金融機関の新規貸出総額はおよそ35兆元(約434兆円)。
これは昨年1年間のGDPの73%に相当する。
このうち3分の2は、中国政府が景気刺激策を打ち出した09〜10年に貸し出された。
世界同時不況が現実味を帯びた当時、欧米諸国は財政赤字を増やして景気刺激策を打ち出した。
これに対して、中国は景気対策の60%以上を銀行融資で賄ったことになる。
新規貸し出しという形で数兆元を市場に供給することで、中国政府は高成長を維持するという目的を達成した。
その決然たる態度は世界中から称賛を浴びたが、
行き過ぎた信用拡大は不動産バブルを招き、国有企業の浪費を助長し、
地方政府による無計画なインフラ投資を促した。
結果は予想どおりだ。
金融機関は大量の不良債権を抱えることになったのだ。
10年末に中国人民銀行(中央銀行)と金融規制当局が警告を発したが、既に手遅れだった。
簡単にカネを借りられる気安さから、地方政府は莫大な債務を抱え込んだ。
そのほとんどは当局の権威を誇示するプロジェクトや、経済的に無意味なプロジェクトに投資された。
日本の会計検査院に当たる国家審計署によれば、10年末の地方政府の債務残高は計10兆7000億元(約132兆6800億円)に上った。米ノースウェスタン大学のビクター・シー准教授(政治学)は、もっと多い15兆4000億〜20兆1000億元(中国のGDPの40〜50%相当)とみる。
シーによれば、このうち地方政府が銀行融資を受けるときにつくる受け皿会社(LGFV)の債務残高が9兆7000億〜14兆4000億元を占める。
このLGFVは、底無しの穴に優良資金をつぎ込むことで知られる。
ということは、投資したプロジェクトがまともな収益をもたらさずに債務の返済に行き詰まる可能性が高い。
たとえ焦げ付きの割合が10%程度だったとしても、銀行にしてみれば1兆〜1.4兆元の貸し倒れになる。
それが20%になれば(こちらのほうが現実的な数字だ)、銀行は2兆〜2兆8000億元の損失を被る。
それはこれら金融機関の収支全体に大打撃を与えるだろう。
■破綻ドミノは始まっている
中国政府はこの時限爆弾の存在に気付いている。
だが打ち出した対策は、期日の迫った地方政府の債務返済期限を1年先送りするよう金融機関に義務付けただけ。
これでは爆発を先延ばししたにすぎない。
中国共産党はこれから大規模な指導部の交代を控えている。
そんなときに金融業界で大混乱が起きたら大変だ
──そんな思惑があったのは間違いない。
だが時限爆弾の時計は止まっていない。
むしろ爆発の時は刻々と迫っている。
では、LGFVの債務焦げ付きの次は何が起きるのか。
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【中国共産党第18回全国代表大会】
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