2012年10月25日木曜日

日本企業の「脱中国」、その理由と真意は

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●22日、尖閣問題の影響を受けて、中国で日系自動車メーカーの生産・販売が大幅に減少している。トヨタ自動車は同社の中国最大の工場で生産ラインの大部分を一時停止する。中国自動車工業協会は、日本車メーカーの不振は長期化するだろうとの見方を示している。


 日中経済戦争の結果はどうななるのか。
 って言ったって、これは数年がかりの大きなもの。
 2,3カ月の手近な数字をだけをみて、日本の経済を失墜させているなどと論じてもしかたがない。
 ただ、中国としては日本に出ていかれるのは、すこぶるヤバイということになっている。
 なにか引き止め策を講じないと、これまでのような雪崩的な中国志向は消え、「利益とリスクを計量」しての動きになってしまう。
 でも間違いなく、日本の中国離れは加速していくだろう。
 中国にとどまるというのは、やはり利益とリスクを秤にかけて
 「それでも利益が出る」
と判断した企業だろう。
 おそらく、半減するとみていいだろう。
 半減したレベルで安定してくれれば、というのが日本企業の本音で、
 他の半分をアジアでの開拓に振り向けていく
というのが、日本の戦略となっていくだろう。


サーチナニュース 2012/10/24(水) 10:56
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1024&f=business_1024_066.shtml

日本企業の「脱中国」、その理由と真意は=中国報道
       
  15日から19日にかけて行われた第112回中国輸出入商品交易会(広州交易会)に参加した日本企業は前年より29.4%減少した。
 ほぼ同じ時期、日本の「読売新聞」は、トヨタ自動車が年内いっぱい中国で減産を続ける方針を固め、生産台数を2割近く減らす計画だと報じた。
 さらに、コンビニチェーン・ファミリーマートによる中国での出店計画の延期、アパレルメーカー・ダイドーリミテッドによる中国での出店数の削減なども考慮すると、日本企業の「脱中国化」の動きは鮮明さが増しているように思われている。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

  野田政権による釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)国有化以来、シャープの中国テレビ市場シェアは8.8%から4.7%に低下、ソニーは5.9%から4.4%、パナソニックは0.4%に低下した。
 東芝やサンヨーなどの日系ブランドのシェアも1%以下に落ち込んでいる。

  8月には日系自動車の中国国内における販売台数は2%減少し、9月の日産、トヨタ、ホンダの新車販売台数は前年同期比でそれぞれ48.9%、35.3%、40.5%の大幅減となった。
 操業停止により日系自動車メーカーは生産台数を1万4000台減らし、2億5000万ドルの損失を被ると分析されている。
 ロイター通信によると、釣魚島問題は悪化し続けるとの判断から、日系企業の約41%が中国から撤退し、業務をそのほかの国・地域に移転させることを検討している。

  しかし、釣魚島問題を日系企業が中国から撤退する唯一または決定的な要因とするのは偏見である。
 韓国と中国の家電企業における巨大な競争圧力および市場への影響の鈍さにより日系家電メーカーが競争面で劣勢に立たされるなか、2012年初め、パナソニックは中国での大規模リストラを決め、ソニーと日立もテレビ生産台数を減らす措置を取った。

  11年、シャープは創業以来、最大規模の赤字を計上し、ソニーは8年連続赤字、パナソニックも過去最大の赤字となり、日本の主要家電メーカーは戦略見直しの必要性から中国での業務を縮小せざるを得なくなった。
 同様に、中国での研究・開発ペースがゼネラル・モーターズやフォルクスワーゲンより遅い日系自動車もここ数年、欧州系と米国系の自動車にシェアを奪われ、生存をかけた思い切った措置という苦しい選択を迫られている。

 中国の要素費用の増加も日本企業の投資先変更に拍車をかけた。
 ボストンコンサルティンググループの報告によると、中国の人件費はその他アジアの7カ国を上回っており、ベトナムより15―30%、インドネシアより40%ほど高く、人件費がもっとも安いバングラデシュの5倍に達する。

  この影響により、2011年度の日本の東南アジア地域への直接投資額は1兆5000億円に達したが、中国への投資額は1兆円にとどまった。

  日本の12年7―8月の東南アジアへの投資は1800億円、中国への投資は1500億円だった。
 ホンダは270億円を投資してインドネシアに自動車工場を建設し、14年の稼動を予定している。
 トヨタは169億円を投じタイに生産施設を建設し、13年上半期に稼動する予定だ。
 また、百貨店大手の高島屋は、向こう5年で東南アジアに中国の2倍となる金額を投資する計画だ。

  そのほか、「非中国要素」も日本企業が中国から撤退し、他国に業務を移す動きを促した。
 計画では、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は15年末までに自由貿易協定(FTA)を締結する。

  締結後、中国がASEAN諸国から輸入する際の平均関税率は0.1%になる。
 日本企業に関して言えば、ベトナムのハノイ周辺で生産した製品を中国の広東省に輸送するという方法は、中国の北部や中部で生産し南部に直接輸送するより安くなるのだ。

  日本企業による短期的・部分的な「脱中国化」を「中国市場を完全にあきらめる行為」「中国ビジネスとの関係を断つ行為」と見るのは大きな間違いである。
 日本のある関係者の計算に基づけば、日中両国の経済融合率は29%に達している。
 この数字が30%を超えた場合、2つの経済圏を「1つの国」と見ることができる。

  資料によると、2011年の日中貿易額は3428億9000万ドルに達し、中国は日本最大の貿易相手国となり、日本の対中輸出は全体の20%に上った。
 現在約2万社の日本企業が中国に投資しており、投資残高は約5兆ドル、投資先は機械製造、自動車、ファインケミカル、商業・小売などの業種で、日本企業の海外市場からのおもな収益源ともなっている。
 さらに、専門家によると、日本企業は13.5億人の人口を有する消費市場に注目し、その対中投資額は年間約50億ドルのペースで増えている。

  日本企業は、中国市場が消費空間を拡大するだけでなく、広大な生産の場でもあることをよくわかっている。
 中国はトップレベルの物流と輸送のインフラを有するだけでなく、市場の成熟度と規則性も絶えず改善されており、多国籍企業の中国ハイエンド分野への投資増加に伴い、中国企業の技術改善面の意欲は大幅に高まると見られる。

  一方、東南アジア諸国には、政局不安定や労資問題などの高い政治リスクがある。
 「脱中国」を簡単に決めれば、日本企業は大きな機会損失を負担することになるだろう。

  実際、一部の日本企業が中国撤退という措置を採るなか、多くの企業が中国市場への投資や業務を拡大している。
 ホンダの最新の計画によると、同社は3年続けて中国市場に10車種以上の新モデルを投入する。
 三菱重工は中国市場を再開拓し、年内に100店舗を増設する計画だ。

  そのほか、衣料品販売最大手のユニクロは1年で100店舗を増設する計画を順調に進め、イオングループも天津、蘇州、広州での大型ショッピングモール開設に向けて準備を進めている。
 日本企業の新規投資の増加により、2012年1―9月の日本の対中投資は前年同期比16%増加した。
 こうして見ると、いわゆる日本企業の「脱中国化」は大げさな言い方に過ぎない。


 「いわゆる日本企業の「脱中国化」は大げさな言い方に過ぎない」
と思い込みたい、というのが中国の建前だろう。

 中国は日本にとって「リスク」だ。
 よって、「ハイリターン」が求められる。
 ハイリターンが見込まれるなら、リスク覚悟で出ていく。
 それが商売だ。
 どう懸案するかは、各企業の判断になる。
  これは国家の問題ではない。



レコードチャイナ 配信日時:2012年10月25日 21時51分      
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65805&type=0

<尖閣問題>日本企業は「脱中国化」など図っていない―中国メディア

 2012年10月24日、中国の大手ポータルサイト・網易に
 「日本企業の『脱中国化』と尖閣問題はどれほど関係があるのか」
と論じたコラムが掲載された。
 作者は広東技術師範学院経済学部の張鋭(ジャン・ルイ)教授。以下はその概要。

 釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題を、日本企業が中国を撤退する唯一のもしくは決定的な要因だとみなすのは間違いだ。
 日本の関係者によると、両国の経済融合率は29%に達している。
 これが30%を超えると、2つの経済圏は同一の国だとみなしても良いそうだ。

 第112回広州交易会で、日本のバイヤーは前年同期比29.4%減だった。
 トヨタも中国での生産を年内いっぱい2割程度減らす方針を固めている。日本の大手コンビニチェーンも中国での開店計画を延期したそうだ。
 こうしてみると、日本企業の「脱中国化」は進んでいるようにみえる。

 野田首相が「尖閣の国有化」を発表してから、シャープのカラーテレビは中国でのシェアを8.8%から4.7%に減らし、ソニーも5.9%から4.4%へと落ち込んだ。
 日産、トヨタ、ホンダの3大自動車メーカーの9月の新車販売台数はそれぞれ前年同期比48.9%、35.3%、40.5%の減少という惨憺たる結果。
 ロイターの調査によると、尖閣問題が長引くという前提で、中国からの撤退を検討すると答えた日本企業は約41%に上った。

 だが、それは尖閣問題のせいなのだろうか?
 家電メーカーをみると、韓国・中国勢の台頭により日系の競争力は低下、パナソニックは今年初めに中国での大規模なリストラを決定、ソニーと日立もテレビの中国生産を縮小している。
 自動車メーカーも同様で、ここ数年は欧米系の人気急増を受け、日本勢は軒並み苦戦している。

 昨年の日中貿易額は3428億9000万ドル。
 中国は日本にとって最大の貿易パートナーで、日本の対中輸出額は全体の20%を占めた。
 日本企業も内心ははっきり分かっている。
 自分たちにとって中国市場は重要な消費空間であるだけでなく、広大な生産基地であるということを。

 実際は撤退しているのはほんの一部で、多くの日本企業が中国市場への投資を拡大している。
 ホンダは来年から3年連続で10種類以上の最新モデルを投入、三菱重工も年内に100店舗を開店する。
 ユニクロの1年に100店舗の新規開店計画も順調だし、イオンも天津などでの大型ショッピングモール開店に向け、着々と準備を進めている。
 日本企業の「脱中国化」は単なる思い過ごしだったようだ。




レコードチャイナ 配信日時:2012年10月27日 5時57分      
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65857&type=0

<尖閣問題>
「日本企業の脱中国化は残念」、全国政協委員が発言―中国紙

 2012年10月25日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化に抗議する反日デモを受け、日系企業の「脱中国化」が進んでいると言われる中、全国政治協商会議経済委員会の鄭新立(ジョン・シンリー)副主任は「非常に残念だ」と述べた。
 21世紀経済報道が伝えた。

 反日デモが頻発した9月以降、日本車の売り上げは大幅に落ち込み、一部日系自動車メーカーは生産停止に追い込まれた。
 こうした動きを受け、日系企業の「脱中国化」が進んでいるとの見方が広まっている。
 これに対し、鄭氏は
 「そうなれば、ドイツ人は大喜びだ」
と冗談を交えながら、
 「非常に残念なこと」
と述べた。

 また、中国社会科学院の李薇(リー・ウェイ)日本研究所所長も
 「中国の人件費高騰と釣魚島問題により、一部日本企業の『脱中国化』が加速している」
とした上で、
 「世界で最も成長速度の速い中国市場から完全に撤退することはありえない」
との見方を示している。

 中国商務部研究院の聶平香(ニエ・ピンシアン)研究員は
 「香港を除き、中国での投資が最も多いのは日本。
 日本企業がすぐに投資を減らすとは思えない」
と話す。
 李氏も日本の経済界関係者の話として、
 「工場を東南アジアに移しても、最終的な市場は中国」
だと語った。

 2000年以降、中国の対日輸出額は年12.8%、輸入も年16%の速さで増加。
 人の往来も活発で、日本から中国に行く人は年間延べ300万人、中国から日本へ行く人は延べ100万人。
 前者は日本の航空会社、後者は中国の航空会社を利用することが多いことから、今回の尖閣問題では日本の航空会社の方が損失が大きい。


 航空会社の損失は日本の方が大きいが、逆に旅行客を受け入れるということになると、中国の損失の方が大きくなる。
 つまり半減すると、日本の航空会社は150万席を失い、同じく中国は150万人の旅行客を失うことになる。
 どちらの損失が大きいく出てくるだろうか。



レコードチャイナ 配信日時:2012年11月4日 9時56分      
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66091&type=0

目指すは東南アジア、中国企業も脱中国化に乗り出す―中国メディア

 2012年11月2日、中国よりも生産コストが低く、貿易障壁を回避することができる東南アジアへ、中国から生産拠点を移す中国企業や外資系企業が増えている。経済参考報が伝えた。

 広西チワン族自治区南寧市で9月に開催された「第9回中国-ASEAN(東南アジア諸国連合)博覧会」に参加した学識者によると、 
 製造業の「中国離れ」には2つの傾向がある。

①.1つは海外からの中国への投資が東南アジアへ移ったこと
 ナイキのスポーツシューズを例に挙げると、2000年の時点では中国が世界最大の生産国だったが、2010年にはベトナムにその座を譲り渡している。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)の2012年の調査では、グローバル企業に人気が高い投資先として、インドネシアとタイが急浮上している。 
また、カンボジアでは工場労働者の1カ月の賃金が400元(約5200円)程度と非常に低く、土地も1平方メートル当たり約1ドル(約80円)と格安のため、労働集約型の企業にとっては大きな魅力だ。 
中国の労働コストと生産コストが今後も上昇を続ければ、東南アジア諸国の製造業の競争力も上昇することになる。

②.もう1つの傾向は、中国東部の中国企業が東南アジアに拠点を移していることだ。
 広東省では多くのエレクトロニクス企業が東南アジアに工場を移した。 
 このため東南アジア諸国は急速に経済成長を遂げており、ナイキが進出したベトナムでは2000年以来、製造業の成長率は毎年11%を記録。 
 ベトナムの製造業も初期の一次産品の生産から、機械設備、自動車、造船などの生産へと成長している。

 UNCTADの統計によると、2011年に東南アジア諸国が受け入れた外国からの直接投資は1170億ドル(約9兆3600億円)で、前年比26%の大幅増。中国は同8%に満たない伸び率だった。




【中国共産党第18回全国代表大会】


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