中国は今後、経済の低迷によって、社会不満が増大する。
そして、反日デモは民衆による政府への抵抗が可能だという意識を植えつけてしまった。
よって、これからちょっとしたことで反政府モドキの大衆運動が頻発することになる。
政府としてはそれを反日デモをすることでガス抜きしたいところだが、ガス抜きしきれなかった場合はとんでもない暴走が待っていることもありえる。
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年10月21日 8時1分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65679&type=0
奪わなければ何も手に入らない……不公正な中国社会―SP華字紙
2012年10月18日、シンガポール華字紙・聯合早報は記事「漢字『搶』からみた中国の不公平」を掲載した。
「搶」、すなわち奪うことが中国社会を象徴しているという。
中国語には「搶」という漢字がある。
奪うという意味だが、この言葉が今の中国の問題を示している。
先日も広東省広州市の地下鉄で「搶位」、すなわち座席争いが原因の乱闘騒ぎが起きた。
以来、各地の中国メディアは地下鉄内のけんかを報道。
北京市ではけんかが原因で地下鉄が止まる事件が7件も起きていることが明らかになった。
単なるけんかと思うなかれ。
地下鉄の座席以外のさまざまなモノについても、中国人は人を傷つけても奪うしかないと考えている。
奪う以外に方法がないという発想。
それは中国社会が公平さや正義を欠いていることの証明である。
』
「奪う以外に方法がないという発想」
であるなら、デモの発生は暴動へとつながる。
それを抑えられる当局の権力と民衆の力との綱引きになっていく。
これから、中国は不安の一途をたどっていくしかない。
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年10月21日 22時44分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65703&type=0
政治改革を推進しなければ、習近平氏は中国共産党の「最後の皇帝」になる―英紙
2012年10月18日、英紙・タイムズは、中国国家主席就任が確実視されている習近平(シー・ジンピン)氏にとって、政治改革は必要不可欠であり、改革を推進しなければ「未来はない」と主張した。
16日発行の中国共産党機関誌「求是」はその記事のなかで、
「新しい歴史のスタートラインに立っている今、さらに自覚して思想を解放し、さらに確実に改革を推進しなければならない」
と強調。
これは7月に胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席が中国各省級指導者の前で行った演説の
「中国の特色ある社会主義への道を進もう」
という方針とは、若干異なっている。
かつて中国国務院農村発展研究センターの研究員だった姚監復(ヤオ・ジエンフー)氏は、
「多くの人が、比較的リベラルだった指導者・習仲勲(シー・ジョンシュン)氏の息子の習近平氏に期待と幻想を抱いている」
と指摘。
しかし、習近平氏の最近の言動から
「彼は毛沢東路線に対して肯定的であり、彼が保護するのは共産党の利益であって、国民の利益では決してない」
と判断。
「政治体制の改革をしなければ、共産党による一党支配国家は終わる。
しかし、改革すると共産党そのものが危うくなる。
そこで、習氏は胡錦濤氏のように問題を先送りすることになるだろう」
と予想している。
中国政治評論家・李偉東(リー・ウエイドン)氏は
「胡錦濤時代の10年間、中国は安定性の維持にこだわり続け、深刻な官僚主義に陥った。
中国は共産党国家から官僚国家に変身し、習氏をはじめとする2世グループ(太子党)はこれに強く反発している」と指摘。
「改革をせずに今の体制を維持していけば、中国に再び革命が起こり、習氏は共産党最後の指導者になる。
改革を推進すれば、中国は徐々にではあるが立憲民主主義の道を歩むことになるだろう」
と述べた。
』
『習近平氏は中国共産党の「最後の皇帝」になる』
という。
そのきっかけとなったのは先の反日デモ。
これによって、大衆がデモ行為を反政府の示威行為として理解してしまえば、経済が落ち込むなか、不満は反共産党に進む可能性も高い。
尖閣の中国の対応は、行き先不安な民衆の不満の大規模なガス抜きのつもりであったはずだが、逆にそれが政府の命取りになる可能性もある。
『
マイナビニュース [2012/10/21]
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/terrafor/2012/10/post-3520.html
【海外:中国】不満は爆発寸前なのかもしれないのだ
世界メディアが分析している通りなのかもしれない。
中国で起きた反日デモは、ひとつの「膿抜き」である可能性もある。
広がる貧富の格差、手ひどく進まない福祉政策、市民には不満も広がっている。
運転手の不審死で1万人暴動――警察車両燃やされる。
既に各メディアも報じているが、そんな穏やかではない話題が四川省から到来している。
中国四川省瀘州市で17日夜、トラック運転手の不審死をめぐり住民約1万人が警察に抗議し、暴動に発展した。
中国メディアによると、同市幹部は18日記者会見を開き、7台の警察車両がひっくり返され、燃やされた車両もあったが、死者はいなかったと発表。
警察当局は20人を連行したとしている。
市当局によれば、トラック運転手が駐停車禁止場所に車を止めたため、交通渋滞が発生した。
警官が車を動かすよう要求したが、運転手が抵抗し、もみ合いになった。
その後運転手が突然、体の不調を訴え、「車に薬がある」と言ったため、薬を飲ませたが、死亡した。
一方、香港紙などによると、運転手が罰金の支払いを拒否したため、警官3人が運転手を殴ったとする情報や、警察が遺族への遺体引き渡しを拒んだとの情報が流れ、怒った住民が警官に向かって石や瓶を投げ、警察車両をひっくり返すなど暴力行為がエスカレートした――という報もなされている。
警察当局は催涙ガスを発射し、暴動は18日未明になって沈静化したという。
一体、何が彼らを憤怒に駆り立てたのか。
何しろ、13億人を統治しなければならない、中国政府なのだ。
政府は必然的に「大きな政府」にならなければならない。
その為には、日本のように左右に揺れ続ける方法では、難しい点もある。
確固たる権力が必要では、ある。
しかし、21世紀という時代の社会は、これで良いのだろうか。
中国は、何か方向性を変えなければならない時なのかもしれない。
政府がどうこう、という話だけではない。
価値観そのものを転換する時代の、到来かもしれない。
【記事:jiejie】
参考元:19日付京華時報
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年10月22日 8時8分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65709&type=0
拡大する貧富の差、中国は経済的選択を迫られている―米紙
2012年10月19日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国の経済成長鈍化を踏まえ、今後政府は難しい選択を迫られると報じた。20日付で環球時報(電子版)が伝えた。
18日に発表されたデータによると、第3四半期の中国GDPは対前年比7.4%増と、09年年初以来最低の数字となった。
しかし、中国経済のソフトランディングを期待する人にとってはうれしいことだ。
健全な世界経済にとって中国経済はさらに重要なものになっている。
政府に突き付けられている問題はこうだ。
従来通りの方法で経済を振興するのか?
それとも、国内の家庭の支出を重視し、投資や輸出への依存を減らして中国を持続可能な成長へと導くのか?
過去10年間で、中国の各階級すべての収入が増加したが、とりわけエリート階級が得た利益は比べものにならない。
以前から中国は成長モデルを転換し、国内消費への依存を高めるべきだと言われてきたが、拡大する貧富の差がこの目標の実現を阻んでいる。
IMFチーフエコノミストのオリヴィエ・ブランチャード氏は、大幅な改革をするなら、収入の再分配に着手しなければならないと指摘する。
不公平な現象への懸念はますます一般的になりつつある。
この問題を解決するために、政府は農民の地権保護や、出稼ぎ労働者への都市戸籍付与、エリート階級の腐敗行為摘発などの措置を採る必要がある。
しかし、これらは強大な既得権益集団に対する挑戦だ。
スタンフォード大学中国経済学者のスコット・ロゼル氏は、今後20年でこれまでの10年間と同様の軌跡をたどると、中国経済はゼロ成長を迎えるリスクがあると指摘する。
』
『
jiji.com 2012/10/29-16:12
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012102900596
「デモ政治」に危機感
=寧波抗議、民意勝利の一方で-安定優先で報道禁止・中国
【北京時事】中国浙江省寧波市で石油化学工場の建設に反対する数千人規模の抗議行動が発生し、市政府は28日夜、毒性の強いパラキシレン(PX)生産事業の撤回を発表した。
ミニブログ「微博」(中国版ツイッター)には民意が政府の譲歩を生んだ「勝利」という歓喜の声が相次いだが、知識人らの間では、
議会や司法が民主的に機能せず、
混乱が大きくなるほど事態が動く「街頭政治」(デモ政治)
が横行する現実に危機感も高まっている。
胡錦濤指導部は、11月8日の共産党大会開幕を控え何よりも安定を優先。
メディア関係者によると、中国当局は国内の新聞・テレビなどに寧波デモを取材・報道しないよう指示、29日付の中国各紙はほぼ報じていない。
抗議の拡大や飛び火による社会の不安定化を何より危惧した表れだ。
一方、社会的に敏感な問題を社説で取り上げ、中国当局の見解を代弁する共産党機関紙・人民日報系の国際問題紙「環球時報」(29日付)は
「『勝利した』と言う人もいるが、広場や街頭の群衆が複雑な重化学工業プロジェクトの運命を決めるというモデルに勝者はいない。
中国全体が敗者だろう」
と指摘した。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年10月30日 16時44分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65949&type=0
環境デモに市政府が屈服、パラキシレン・プロジェクトの完全撤回を約束―浙江省寧波市
2012年10月29日、マレーシア華字紙・光華日報によると、浙江省寧波市政府が市民の反対により化学工場建設を中止した。
浙江省寧波市鎮海区の環境デモが注目を集めている。近
年、中国では環境問題への注目が高まり、環境負荷の高いプロジェクトの撤回を求めて住民が抗議運動を起こすケースが増えている。
寧波市でも石油精製施設拡張への反対運動が起きていた。最終的に数千人が集まり、市政府はデモに屈服した。
デモの経緯は次のとおり。
0月上旬には工場予定地の住民が計画撤回を求めて陳情していたが、政府は取り合わなかった。
22日から集団陳情という形で抗議運動が広がり、やがて街頭でのデモという形に拡大していく。
一時は地元警察が催涙弾を発砲、負傷者を出す騒ぎも起きている。
28日には寧波日報が「デモは市の経済発展のチャンスを破壊する」との社説を掲載したが、翌日、デモはさらに規模を拡大した。
デモ隊は寧波日報社前を通行する際、中指を建てて抗議の意志を表明している。
29日に寧波市政府はパラキシレン製造プロジェクトについて建設計画を永久に中止すると公表した。
パラキシレンは石油精製の過程で製造される中間原料。
福建省アモイ市や遼寧省大連市でもパラキシレン製造施設反対の抗議運動が起きた経緯があり、中国では「有毒物質」としての認知度が高い。
』
『
ロイター 2012年 11月 2日 18:30 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A105T20121102?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
アングル:中国で相次ぐ環境めぐる抗議デモ、企業も対応が必要に
[上海/北京 2日 ロイター] 中国浙江省の寧波市政府が、健康被害を懸念する地元住民による数日間にわたる抗議デモを受け、10月28日に石油化学プロジェクトの中止を表明したことは、中国の民衆にとって新たな勝利に見えた。
しかし、実情はそれほど単純ではないかもしれない。
市政府の報道官は同日、化学繊維原料となるパラキシレンの製造設備を含めたプロジェクトを今後進めることはないと表明。
ただ、プロジェクトに詳しい寧波市のある関係筋はロイターに対し、いったん住民の怒りが収まれば、中国石油大手の中国石油化工(シノペック)はパラキシレン製造設備も含めた寧波市鎮海区の工場拡張計画を進めるだろう、と述べた。
プロジェクトは、名前を変更するだけでそのまま存続しそうだという。
米外交問題評議会(CFR)のシニアフェローで、中国の環境問題に関する著書もあるエリザベス・エコノミー氏は
「比較的早い段階で地元住民の要求に答えて降伏することは、抗議活動の拡大リスクを考えれば妥当に見える」
と指摘。
「もちろん、これが持続可能な統治モデルとは言えないが、
中央政府も地方政府もどうするべきか分かっていないことは明白だ」
と述べた。
■<喉元過ぎれば熱さを忘れる>
寧波のケースは珍しいものではない。
中国の環境NGO(非政府組織)「自然之友」の李波・総幹事は
「地元住民の団結力が格段に弱まるため、危機が落ち着けば何が行われているのか監視するのは難しくなる」
と語る。
8月には大連市でパラキシレン工場に対する抗議デモが発生。
政府が地元住民の要求に屈するかたちで工場の移転を認めたものの、数カ月経っても工場は依然として操業を続けている。
環境活動家がロイターに語ったところによると、地元政府は、工場を徐々に縮小し2013年までに閉鎖、郊外の工業団地に移転すると表明したという。
2007年にアモイ市で起きた、これもパラキシレン工場に反対する大規模な抗議活動は、中国都市部における環境意識の高まりを示す画期的なムーブメントだとみられている。
地元政府はプロジェクトを中止し、環境団体は勝利を宣言。
その後パラキシレンは、どこにおいても活動家らのシンボル的な攻撃対象となった。
棄物処理施設など好ましくないものを他の場所に設置するのはいいが、自分の近所には嫌だという人を「NIMBY(ニンビー)」(Not in MY Backyard=うちの裏庭ではやめて)と呼ぶ。
このケースではこの言葉を裏付けるような結論で終わった。
地元政府は約1年後、アモイに近い市の農民の近所に工場の移転を決定。
移転先の住民は散発的に抗議デモを実施したが、効果はなかった。
■<蚊帳の外に置かれたままの王子製紙>
抗議デモが頻発することにより、低賃金に引きつけられて中国に進出した外国企業を含め、いくつかの業界ではコストが上昇したり、不透明感が高まったりするかもしれない。
7月には、王子製紙工場の排水管建設計画をめぐり、環境汚染に反対する大規模なデモが中国江蘇省南通市啓東で発生。
地元政府は住民の要求を受け入れ、プロジェクトの中止を表明した。
だが、王子製紙はそれ以降、何の情報も知らされていない立場にある。
同社の広報担当者は
「今の状況は分かっていない。
何も情報がなく、地元政府の担当者とも連絡を取ることができないでいる」
と明らかにし、
「われわれは排水管が建設されるとの前提で動いている。代替計画はない」
と述べた。
啓東の政府当局はコメントを拒否した。
国内外の企業はともに、政府のその場しのぎで曖昧な規制政策は時間とともに改善されることを望んでいる。
より効果的な環境規制づくりは、現行の5カ年計画の主要な柱だ。
だが、アナリストらは、大きな投資案件に対する環境面での地元の反発に一層注意を振り向けるべきだと指摘する。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニア中国アナリスト、ダンカン・イネスカー氏は、
中国の大衆が環境への意識を高めていることは大規模プロジェクトに対する企業の取り組み方に変更を迫るもの
だとみている。
同氏は
「これまでは地元政府の当局者に根回しし、それがうまくいけば安心できた。
今では、同じように地元住民にも対処しなくてはならない」
と述べた。
( John Ruwitch and David Stanway記者 Additional reporting by Chen Aizhu and Ben Blanchard in BEIJING and Mayumi Negishi in TOKYO;翻訳 川上健一;編集 田中志保)
』
残念だが中国はもはや都合のいい投資先ではなくなりつつあるということであろう。
利益を求めて動く企業にとって、リスクが大き過ぎると感じたとき、果たして企業はどのような選択をするだろうか。
これから、日本の企業のあり方が注目されていく。
【中国共産党第18回全国代表大会】
_