2012年10月7日日曜日

中国の反日デモに思う…韓中関係は大丈夫か

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 なんとなく、朝鮮日報の論調が週日とは違っている。
 中国に怯えはじめている、といった感じが強くする。
 日中対立は韓国に漁夫の利をもたらすものである。
 日本は「脱中入亜」の方向で、中国への過剰な踏み込みを自制するスタンスになっており、その分をアジア諸国に振り分ける形をとらざるをえない。
 日本が抜けていく分、中国での韓国のパイが大きくなっていくはずである。
 韓国にとってはウハウハのはずであるのだが。
 韓国の経済構造からいって、これから生きていくには韓国は中国に依存していくしか道が残っていない。
 中国に見放されたら韓国もはや生きてはいけない。
 おそらく、それゆえに中国に見放されることがコワイということなのかもしれない。


朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/07 08:10
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/07/2012100700129.html

【コラム】中国の反日デモに思う…韓中関係は大丈夫か
   
 日本政府による尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化措置を受け、中国で反日デモが広がった際、外国人が多く住む上海市の古北地区の雰囲気は騒然としていた。
 日本人、日本料理店、日本関係の商店が多い地域だからだ。
 ある日本料理店はドアに中国国旗とともに「台湾資本の飲食店です」と書かれており、通行人が苦笑を浮かべていた。

 一部の人は今回のデモが官製デモだと行って無視した。
 デモ隊は動員された人たちで、一般市民は関心がないということだった。
 経済学科に通う大学生(22)に「デモに参加するか」と聞くと、「参加するつもりは全くない」という答えが返ってきた。
 秩序があり、礼儀正しい日本人が個人的に好きである上、参加したからといって、自分に徳があることにはならないという理由だった。
 「南京大虐殺」を考えれば、日本を好きにはなれないのではないかと聞くと、彼は
 「それは前の世代の話で、我々の世代とは関係ない」
と言い切った。
 上海・黄浦江沿いの外灘(ワイタン)に西洋列強による侵略の痕跡として残る石造りの建物を眺めながら、中国の若者が
 「外国人観光客が訪れる美しい場所だ」
だと感動する姿と何ら変わりなかった。

 大手のコンピューターゲーム会社で働く青年(29)も
 「反日デモ隊は共産主義青年団(共青団)などの組織を通じ動員された人たちだ」
と話した。
 自身も過去に共青団の団員だったという彼は
 「チャンスがあれば、規制が多い中国社会を離れ、シンガポールや韓国、カナダに移民したい」
と続けた。
 通信設備大手のアルカテル・ルーセントに勤める男性(38)は
 「デモ隊の一部はデモの機会を利用し、中国政府に対する不満を表明している」
と指摘した。
 官営メディアは反日スローガンばかりを報じるが、広東省では反政府のスローガンも多く出現したという。

 中国の公務員数人と食事する機会があったので、反日デモの自発性について質問してみた。
 彼らは中国の体制の特殊性からデモ隊が「組織された」ことは認めながらも、一般国民の反日感情は決して無視できないと語った。
 そして、今回の日本製品不買運動は2005年の日本の歴史教科書問題による不買運動よりも影響力がはるかに大きいと予測した。
 例えば、自動車の場合、05年には反日感情が今回ほど表出せず、自動車の選択の幅も相対的に少なかったが、現在は環境が変わったため、不買運動が威力を発揮するとの分析だった。
 実際に9月には中国で日本ブランドの乗用車販売台数が前月比約30%減少したと推定されている。
 公務員はまた、
 「中国人は韓国に対する好感が非常に強いため、韓中間の対立が日中間の対立のように爆発的には広がらないだろう
と話していた。

 しかし、歴史をさかのぼれば、韓中間の対立は日中間の対立よりも根深く、現在も対立要因がずっと多い。
 地理的に韓国は日本より中国に近く、北朝鮮問題も抱えているからだ。
 韓国の中国に対する経済的、外交的な依存度は日本の比にならず、
 中国と摩擦が生じた場合、韓国はさらに大きな影響を受けかねない。
 中国の反日デモを見て、緊張せざるを得ないのはそのためだ。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/07 08:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/07/2012100700127.html

【コラム】サムスンが略奪され、現代車が燃やされる日
   
 トヨタ車が燃やされ、パナソニックの売り場が略奪に遭った中国の反日デモは、正常な国家間関係ではあり得ない野蛮な状況にまで達した。
 被害者は日本だったが、韓国社会では中国を支持する反応が少なくなかった。
 先週のデモを報じた朝鮮日報のウェブサイト「チョソン・ドット・コム」の記事には「日本の自業自得」「デモが収まらないことを望む」といった読者の書き込みが相次いだ。
 過去を否定し、他人の土地を狙う日本がひどくやられた、というのが韓国人の正直な心情だった。

 しかし、対岸の火事で済ませてよいのか。
 中国の群衆が日系のスーパーマーケットに乱入し、略奪に及ぶ場面を見て、いつかはわれわれも同じ目に遭うのではないかと感じた。
 今はトヨタとパナソニックだが、そのターゲットが現代自動車とサムスン電子に変わらないとは言い切れない。
 中国の反日デモ隊は「愛国無罪」というプラカードを掲げる。
 暴力的ナショナリズムに達した中国式の愛国は相手を選ばず、韓国だからといって容赦しないはずだ。

 韓国は既に巨大中国の容赦ない愛国主義で苦々しい経験をしてきた。
 韓国のプライドに深いトラウマを残した12年前のニンニク騒動が代表的だ。
 当時、韓国政府が中国産ニンニクの関税を引き上げたところ、中国は韓国製携帯電話端末の輸入中止で報復した。
 輸入農産物に対する緊急輸入制限(セーフガード)による関税引き上げは、世界貿易機関(WTO)のルールに従った正当な措置だったが、中国は強引な手段で報復に出た。
 結局韓国政府は白旗を揚げて降参し、ニンニクの関税を元に戻す羽目になった。

 韓国は2008年の北京五輪で中国の群衆が韓国選手団にやじを飛ばしたのを覚えている。
 その直前の聖火リレーでは、ソウル都心に数千人の中国人が集まり騒ぎを起こした。
 中国軍の総参謀長が韓国の国防部長官を前に演説したかと思えば、中国外務省の報道官は違法操業の中国漁船に「文明的な対応」を求めるという開き直った態度まで取った。

 今は中国が険しい表情を浮かべるだけだが、いつ容赦ないナショナリズムが暴力となって降り掛かってくるか分からない。
 韓中間には大きな懸案が幾つもある。
 離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐる領有権紛争、排他的経済水域(EEZ)の画定問題も懸案として残されたままだ。
 脱北者問題をめぐる対立も時限爆弾だ。
 国益をめぐる対立が表面化したとき、中国は韓国に容赦なく報復を加えてくるのは間違いない。

 中国の覇権主義は常態化した問題と見るほかない。
 中国が大きくなればなるほど、力で押し切ろうとする動きが露骨になるのは明らかだ。
 問題は韓国側の姿勢だ。
 韓国には純真にも中国の善意を信じる観念的な親中勢力が存在する。
 彼らは中国を刺激すべきではないとの理由で海軍基地の建設に反対し、国防力増強の動きにも異を唱える。
 中国にやられた日本が切った取っておきのカードは日米安保条約だったが、韓国の親中勢力は中国が最も恐れる韓米同盟を弱めるべきだと主張する。

 中国が韓国だけを大目に見るというのは都合の良い錯覚にすぎない。
 韓国は経済的にも北朝鮮問題などの面でも、
 日本よりはるかに中国への依存度が高く、中国の脅しに弱い。
 このままでは、近い将来に暴走する中国のナショナリズムの前に屈服を強要される状況に追い込まれかねない。

 中国に対する経済的、外交的カードを持ち、海軍力を高め、対応能力を強化することは、韓国の国家のプライドと直結する国家存亡の問題だ。
 しかし、今後5年間の政権を争う与野党の大統領候補者は、誰もその問題に触れようとしない。
 どうすれば中国の前に奴隷のように服従せず、国家的なプライドを守れるか答えを示すべき候補者たちは、見て見ぬふりで沈黙を続けている。




【中国共産党第18回全国代表大会】


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